2014年04月25日
サン・ウインド 株式会社様 「知恵の経営」実践モデル企業に認証
京都商工会議所 知恵産業推進室の支援先である
サン・ウインド株式会社(代表取締役 高橋 秀直)様が、
京都府「知恵の経営」実践モデル企業に認証されました(平成26年3月)。
サン・ウインド株式会社様は、昭和56年に先代と2人で創業されました(当時社名「市三硝子」)。
当時の業界慣習は、ガラスはガラス屋から、サッシはサッシ屋からと別々に仕入れをすることが
一般的でした。これに対し、同社は、業界では珍しくガラスとサッシの双方を扱う複合事業を行っていらっしゃいました。
「サン・ウインド株式会社」として法人化(平成2年)され、同業他社の多くが取り組んで
いなかったリフォーム市場にいち早く着目し、大きく方針転換を行なわれました。
従来の窓に簡単な取付で断熱出来る「エコ窓」(セルフメイクペアガラス)、内窓取付時の
補強部材である「下枠補強材」等、同社のオリジナル商材を意欲的に開発されています。
また、窓まわりに関する「断熱」「結露対策」「遮熱」「防音」「防犯」といった顧客それ
ぞれが持つ悩みごとや困りごとに対し、例えば住環境の悩みごと・困りごとの発生メカニズム等
を分かりやすく説明する「窓コンシェルジュサービス」という独自の手法で顧客の問題・課題
解決を行っていらっしゃいます。
同社独自開発の「エコ窓」や「窓コンシェルジュサービス」は、第3回知恵ビジネスプラン
コンテスト(主催:京都商工会議所)にも認定されました。
http://www.kyo.or.jp/chie/ac/092922.html
今回は、代表取締役の高橋社長にインタビューしましたので、 紹介させていただきます。
<概要>
事 業 所 名 サン・ウインド 株式会社
代表取締役 高橋 秀直
所 在 地 京都府宇治市槇島町中川原52番地
事 業 内 容 ガラス、サッシ販売業・エコ関連事業
ホームページ http://www.sun-wind.jp/
エコ窓(同社開発商品)
Q 「知恵の経営」報告書作成に取り組み始めたきっかけ、目的は何でしたか?
A お客様に対する思いと、それに対応する組織のあり方を共有し、自社の
強み・弱みの整理し、社員・スタッフの仕事に対する価値観・モチベーションを
高め、融合する事が全ての経営判断・行動機軸の基となるものと考え
報告書作成に取り組み始めました。
また、会社の歴史を纏めた一冊の本としても残していきたかった思いもあります。
Q 「知恵の経営」報告書はどのようにして作成を始められましたか?
A ・京都商工会議所が主催する「知恵の経営」実践セミナーを受講し、「知恵の経営」
報告書作成に関わる体系的な講義、演習を受けながら骨子をつかんで参りました。
その後は、同所の専門家派遣を活用し、中小企業診断士や経営支援員の
助言を受けながら、報告書をまとめ上げていきました。
Q 報告書をまとめていく際に苦労された点はどんなところですか?
A 日常の仕組み、ルール等を観点を変えて見直し、文章化する事、
また当初の漠然とした考え、思いをイメージし、文字にする事でしたね。
Q 御社の知恵の源泉はどのような点だと思われますか?。
A 事業活動の中で、常に客観的な見方と意識で、疑問・課題を見出す事だと考えております。
Q 本所の支援はいかがでしたか?
A 専門家としてご指導頂いた中小企業診断士の先生、京商経営支援員。
途中、繁忙期を迎えて、なかなかペースが上がらない時期もありましたが、
最後まで根気強くご指導頂きました。
特に感じたことは、両先生とも業界の事は素人の筈ですが、早々に理解、把握をされ
身近な相談相手かと感じるくらい深い理解の上でご支援いただきました。
Q 報告書を作成されて良かった点はありますか?
A 報告書作成過程で、会社をいろんな視点・角度で見る事ができ、現時点での様々な要素を
整理できた事で、更なるアイデア・工夫が明確な位置付けで検証できました。
Q これから「知恵の経営」報告書を作成される方へのメッセージをお願いします。
A どのうような事業でも、会社でも長年かけて培った知恵が詰まっていると思います。
それを整理し公開することで、社員がその価値を共有し、維持し、更に進化させることで
安定した経営基盤づくりが可能になると思います。
何よりも、会社の事を外部の方と、本音で話ができる機会が他にあるでしょうか?
とかく孤独な思考環境の中では、思わぬ気付きと、新しい発想の連続でした。
Q 今後の抱負をお願いします。
A 今回のご支援に感謝し、社会のお役立ち会社として、その使命、社会的責任を果たして
いきます。
窓の断熱工事(エコ窓)の導入事例(某社工場)
高橋様、ありがとうございました。
サン・ウインドさんの今後の新たな展開が楽しみです!
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★京都商工会議所は、「知恵の経営」報告書の作成支援をしています。
お気軽にお問合せください。
・中小企業経営支援センター 知恵産業推進室
℡:075-212-6470
2014年04月04日
山口硝子製作所様 「知恵の経営」実践モデル企業に認証
山口硝子製作所(代表 山口誠 、副代表 山口信乃介)様が、
京都府「知恵の経営」実践モデル企業に認証されました(平成26年3月)。
山口硝子製作所様は、大正14年、京都の分析機器メーカーの理化学用ガラス器具
の製造下請け工場として創業されました。
今日においても、同社は、主に理化学用ガラス器具の製造・販売を行うガラス加工業者
として、分析・計測機器を製造するメーカーに対し、オーダーメイドの分析・計測装置用
のガラス部品を提供されています。
全従業員が手作業のガラス加工技術を習得したガラス職人であり、その歴史は約90年
に及びます。少量の複雑なガラス製品を安価に作製できる同社は、品質・納期・対応面
で大手分析・計測機器メーカーから高い評価を受けておられます。
今回は、代表の山口誠様および副代表の信乃介様にインタビューしましたので、 紹介させていただきます。
<概要>
事 業 所 名 山口硝子製作所
代 表 山口誠
所 在 地 京都市左京区新丸太町通仁王門下がる新丸太町59
事 業 内 容 理化学用ガラス器具(※1.)、分析・計測機器用(※2.)のガラス製品、
装飾用ガラス製品の製造・販売
※1.理化学用ガラス器具…ビーカー、フラスコ、反応容器、蒸留器、
冷却器、分析・計測機器用ガラス部品など、分析・
計測用途に作製されるガラス製品全般のことを指します。
※2.分析・計測機器…物質の組成,性質,構造,状態等を定性的・
定量的に測定する機器のことで、環境水質調査や
工業・生活排水の評価・食品の分析など多くの
局面で使用されます。
ホームページ http://www.yamaguchi-glass.com/
工場の製作風景
Q 「知恵の経営」(報告書)に取り組み始めたきっかけは何でしたか?
A 京都商工会議所入会時に担当支援員からの案内で「知恵の経営」のことを知り、
会議所主催の「知恵の経営」入門セミナーに参加したのが始まりです。
Q 「知恵の経営」報告書作成目的は、何でしたか?
A この報告書は、顧客の皆様・弊社従業員に、当社の強み、特徴をより深く知っていただく
べく作成しました。
ガラス加工業界というものは、一般的に広く知られた分野ではなく、日常生活でも馴染のない
材料や技術を使用しているため、顧客および弊社従業員に対し、その内実と弊社の置かれて
いる立場や強み、今後の方向性をよく理解していただく資料となれば、と考えておりました。
他方、創業以来の事業展開を文字にしてまとめていき、現在、新たに制度化している
取り組みをわかりやすく伝える手段としても、報告書を作成しようと思いました。
Q 「知恵の経営」報告書はどのようにして作成を始められましたか?
A 報告書の作成にあたって、弊社単独では、何をどの程度まで書けば良いのかわかり
ませんでした。そこで、「知恵の経営」実践セミナー(京都商工会議所 主催)を受講し、
骨子をつかむところからスタートしました。
Q 報告書をまとめていく際に苦労された点はどんなところですか?
A ・最初は、自社の歴史に関する資料不足に悩みました。社歴を振り返るにあたっては、
長く勤めていただいているベテラン従業員にも聞きながら、確認していくことも多々ありました。
・また、報告書作成に対する社内の理解、協力を得るまでに時間を要したことです。
熟練職人の中には、「報告書作成や認証によって何の役に立つのか」という意見も
ありましたが、経営者の思いと弊社にとっての意義、認証メリット等を話し、コミュニ
ケーションをとり続けることを通して、次第に理解を得られるようになりました。
・報告書の内容を考え直したり、書き直したりして、弊社「強み」や「知恵」を掘り下げていく
ことに苦労いたしました。ですが、3度4度と繰り返し見直していくうちに、例えば、弊社の
ガラス加工技術などは現場で培われた知恵なんだな、ということを徐々に認識するよう
になりました。
Q 御社の知恵の源泉はどのような点だと思われますか?。
A 従業員が安心して働くことができる家族的な社風と、ガラス製品を一から完成品まで
作り上げることで仕事の面白さがすぐにわかる点かと考えています。
初代山口伊三郎は、穏やかで従業員を家族のように大事にする人だったと聞いており、
現在も、従業員相互の尊敬・愛情は最も重要なものとしてその精神を受け継いでいます。
新人が熟練のガラス職人になるまでには何十年も掛かります。その後会社を辞めずに
働き続けてもらわなければ、会社にはガラス職人が根付きません。歴々の熟練職人と
現在の従業員がなぜ弊社で仕事を続けているかといえば、当社に安心して働くことの
できる環境が存在したからであり、家庭的な社風がその環境の土壌となり続けています。
Q 報告書を作成されて良かった点はありますか?
A 自社の事業展開や強みや知恵について第三者の立場で見ていただき、評価を得られた
ことが大きいです。 また、専門家派遣や担当の経営支援員のアドバイスを聞いて、
自分たちの会社を客観的に見つめ直す良い機会になりました。
従業員の意識も、少しずつ変わってきており、今後の経営にも活かしていけると
考えています。
Q これから「知恵の経営」報告書を作成される方へのメッセージをお願いします。
A 自社の強みや経営に活かしている知恵を第三者に見ていただき、評価を得る
ことは、自社事業展開の意義深さや価値に改めて気づくことにつながり、経営者
および従業員が自信を持って仕事に向き合うことにつながります。
報告書作成時間には、想定していた以上に時間と労力を要しましたが、
取り組んだことはよかったと感じています。
ぜひ皆さんにもチャレンジしていただきたいです。
加工風景
(ガラス加工の基本技術を組み合わせて複雑度と困難度の高い製品を作製)
熟練の技術で仕上がった分析装置用および機器用ガラス部品
山口様、ありがとうございました。
山口硝子製作所さんの今後のご活躍がますます楽しみになってきました!
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★京都商工会議所は、「知恵の経営」報告書の作成支援をしています。
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